行政書士&遺言執行士akito's blog in横須賀

行政書士の墓じまい・相続業務を小説風に面白おかしく書いています。今書いているのは、出版予定の三作目の小説です。

行政書士開業準備中~相続編11(ペット相続①)

アメリカでは州によりますが、ペットに遺産を残す事ができるそうです。

度々メディアを騒がしますので、ご存知の方も多いでしょう。

では日本の法律ではどういう扱いになるのでしょうか。

 

登場人物は川崎一家+山本行政書士です。

 

 

「痛っ、あ痛っ、あ痛たた、う~、あ~」

「お父さん!」

 

 

遡る事3日。

娘の亜紀が仕事帰りにやってきた。色々あったが、大分元気を取り戻したようだ。

「昨日、会社の友達からペットの事で相談されたんだけど」

「ペット?」

「そう、可愛い豆柴よ」

「お、いいな」

「お父さん、うちはダメよ。飼えないわよ。だって私達の方が先にいったら可哀そうでしょ」

妻の由紀子だ。

チヨ婆の時もそうだ、亭主を立てるという事をしない。

それに比べると、松坂慶子似の職員さんのあの優しい態度。

爪の垢でも飲ませてやりたいくらいだ。

「何か言った」

「何も言ってないだろ」

爪の垢じゃ足りない。

「二人とも勘違いしてるけど、譲るわけじゃないのよ」

「どういう事かな」

「職場の知り合いの友達のお婆ちゃん、今度ペット可の老人ホーム入るんだって」

「最近ペット可の老人ホーム増えてるみたいね」

「そうみたい。それで豆柴に遺産を譲りたいって相談受けたの」

「犬に遺産って聞いた事ないが、家族は居ないのか」

「息子がいるよ。でもそのお婆ちゃん、息子のお嫁さんと仲が悪いんだって。自分が亡くなったら遺産の全てが息子にいくでしょ。その恩恵はお嫁さんも受けるよね」

「そりゃ夫婦だからな、旦那のものは私のものって嫁もいるよな」

「それどういう意味かしら」

こういう時は突っ込んでくるんだよな。

「深い意味はないよ」

「とげがあるように聞こえましたよ」

「空耳だよ」

「ちょっと二人とも良いかしら、話の途中なんだけど」

「あら、ごめんなさいね亜紀」

「それで話の続きなんだけど、それがお婆さんは面白くないみたいなのよ。それで豆柴に少し譲りたいっていうんだけど、どうなのかなぁ」

「そういえば、この前コミュニティセンターの図書室に行った後、山本先生にあったなぁ。お墓のイメージが強いけど遺言執行が専門らしいぞ」

「お墓先生なんて言ったら失礼でしょ」

そんな事はいっとらんぞ、ボケてるのか。

 

「じゃ近いうちに話してみよう。何か先生も事務所の運営で大変みたいだから有料相談の予約をしてみようかな」

 

そして3日後。

今日は夕方、山本先生の事務所に行く予定だ。

もうすぐお昼か、そんな事を考えていた時電話が鳴った。

「はい、川崎です」

「〇〇図書室です」

この声は、、、慶子似の職員さんだ。

「ご予約された本が届きましたので、お時間のある時にお立寄り下さい」

これは、行かねばなるまい。

慶子さん、、、いや、さんづけは他人行儀だ。

今行くぞ、慶子!

時間は12時30分。

早く行かねば、午後の職員さんと入れ替わってしまう。

急げ川崎四朗。

妻が怪訝そうに見ているが、そんな事は関係ない。

立ち上がって、財布を取ろうと左に捻ったその時、、,

 

ピキッ

 

「痛っ、あ痛っ、あ痛たた、う~、あ~」

「お父さん!」

 

何てこった、こんな大事な時に腰を、腰をやってしまうとは。

だんだん目の前が、ぼやけてきた。

慶子の顔が浮かんでは消え、浮かんでは消えていく。

つかの間の夢だった。。。

どうやら会いに行くのは慶子ではなく、病院の先生になりそうだ。

 

亜紀が来ていたのが不幸中の幸いだ。

山本先生の所には、亜紀に代わりに行ってもらおう。