行政書士開業準備中~現在編22(刑法編③)

① 第204条

人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する

 

この204条の規定は、傷害罪の規定になります。

 

② 第208条

暴行を加えたものが人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

 

この208条の規定は、暴行罪の規定になります。傷害罪の一歩手前のイメージです。

条文上も、傷害するに至らなかったときとあります。

 

③ 第36条

1項 急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。

 

この36条の規定は、お馴染みの正当防衛の規定となります。

論点の宝庫ですが、そこには立ち入らず、必要な個所のみ書きます。

急迫不正不正ですが、刑法上違法と言う事です。

この不正、次回に記載する正当防衛の成立の要否に深く関わります。

 

2項 防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

 

この2項は、正当防衛の効果が過剰になった場合の規定です。

過剰防衛の事です。

 

では、老人ホームで、入居者職員を殴った場合、どう判断すれば良いでしょうか。

まず、入居者が職員を殴ったわけです。

職員が入居者を殴る虐待事例ではありません。

この入居者ですが、完全な寝たきりの方を想定していません。

寝たきりで、認知バリバリの方が、職員を殴るというのは、ちょっと想定しづらいです。

職員に噛みつくというのは、十分、十~分想定できますが、ここでは省略します。

 

若干回りくどい説明になりますが、次回の正当防衛の要否に関わりますので、加害者側の状況説明をします。

まず、要支援1・2 要介護1~5で、介護を必要とされる方のレベルを判断します。

要支援1が一番軽く、要介護5が一番重いです。

先の、特別養護老人ホーム(以下老人ホームという。)で、職員を殴るという出来事があったとします。

入居者は、男性で体格も良い方です。

介護度3の方とします。

介護度3と言うのは、排泄が一人でできない、身だしなみ等身の周りの事が一人でできない、歩行が一人でできない事もある、というところです。

 

殴られた職員は、小柄な女性の方だとします。

殴られた度合ですが、たまたま手がぶつかったではありません。

トイレ誘導の際、非常に不穏になり、俺は戦争に行ってきたんだ~

戦地をなめるな~、と言いながら女性職員の顎にストレートです。

 

唇が切れました。首の所に、上着のファスナーが首に食い込み、バッチリ跡が残っています。

 

この事例を検討する前に、先ずは比較事例。

例えば、私が電車の中で、いきなりお前なめんなコノヤロー、その顔がむかつくんだよと言われた殴られたとします。

私は何もしていません

程度問題もありますが、②の暴行罪か、①の傷害罪でしょう。

殴った人間が高齢者(70~80歳)だった場合、(私が殴った場合ではないです。)

高齢者なのでお咎めなし、、、なわけないですよね。

当然、私は被害届を出します。

それによって警察が介入します。

また、民事上は、治療費を高齢者本人か、場合によっては家族に請求します。

 

これが、老人ホームで起きた場合、どう判断すべきでしょうか。

①傷害罪、②暴行罪の判断は不要でしょうか。

さらに、女性職員が、反射的に老人に殴り返した場合はどうでしょうか。

これらは次回、正当防衛と絡めて書きたいと思います。

 

 

また、先の電車の事例で、私が、老人を殴り返した場合はどうでしょうか。

状況次第ですが、正当防衛か、過剰防衛でしょう。

更にToeicの出来が悪く、いらいらしてたので、倒れた老人に蹴りまで加えたらどうでしょうか。

 

次回、事例を条文にあてはめてみます。

 

あおり行為の事件ですが、先程検察官が23年求刑しました。

検察官vs弁護側の真っ正面からぶつかる事案です。

弁護側が、心底無罪を望んでいるか甚だ疑問ですが、やるべき事はやるでしょう。

予想ですが最高裁まで行くかと思います。