行政書士開業準備中~現在編20(刑法編①)

固い内容ですので、お気楽にブログを読みたい方は、今回はお勧めしません。

今日は、昔を思い出しながら刑法について書いてみようと思います。

私、司法試験を勉強していた時は、検察官になりたかったです。

何寝言を言ってるんだって話で、笑い話にもなりません。

 

何分私の知識は廃れています。

随時修正はしますので、変だなと思った場合、コメント頂ければ幸いです。

因みに学説には深入りはしません。

 

事例は3つ。

①老人ホームで、入居者職員を殴った場合。入居者ではないです。

②メスでお腹を切るような手術。

③ニュースで報じられている、あおり運転の事案です。

 

事例を検討する前提としての予備知識。

1、構成要件該当性 2、違法性 3、責任です。

(故意は、ここでは脇に置きます。)

ある人間が、罪を犯したかどうかは、前出の1→2→3の順番で検討します。

ここは固い話ですが、1、2、3の定義です。

非常に、難解な所ですので、あくまでイメージです。

 

1は、刑法の条文に該当しているがどうかです。

2は、難しいです。激しい学説(行為無価値と結果無価値)の争いがあります。とりあえず、悪いことだというイメージです。

(本気で司法試験をやった方なら、燃えるところかと思います(笑))

3は、その人を非難できるかどうかです。

 

先程の事例の②から見てみます。

ドクターが、オペをします。メスをもってお腹を切ります。

以下は、刑法204条、傷害罪の規定です。

人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

まちがいなく、ドクターの行為は、この条文に引っ掛かりますね。

つまり、1の構成要件には引っ掛かります。

では犯罪ですか。

 

違います。

なぜか。

 

2の違法性がないです。悪いことではないです。

固い言い方では、違法性阻却などと言います。

ボクシングもそうですよね。相撲もそうです。

ここで刑法35条を書きます。

法令又は正当な業務による行為は、罰しない。

よって、手術を行うドクター、ボクシングの選手、お相撲さんは、傷害罪に該当しません。

 

ここまでの事を理解しておいた方が、現在ホットな話題の③、あおり運転を理解しやすいです。

 

刑事事件だけを考えた場合、感情的には、死刑です。

法がなんと言おうが、死刑です。

残された娘さん2人の事を考えたら、当然です。

 

ただ、民事を考えた場合そうはいきません。

損害賠償の話が出てきます。

あの加害者に貯金がたくさんあるとは思えません。

ここが悩ましい所で、残された娘さん2人に何とか現金を残してあげたいと考えます。

死ぬまで働かせて、娘さん2人に少しでも償いをさせたいです。

とすると、死刑は残念ながらダメですね。

 

話を戻します。

弁護側、検察側の争点は、危険運転致死傷の可否です。

つまり、今回加害者が行った行為が、危険運転致死傷に規定している行為か否かが争われています。

まさに1、構成要件該当性の問題です。

通常、事実関係に争いがある場合、または、事実を認めて情状酌量を求めるパターンが大半でしょう。

この構成要件での争い、つまり条文適用での争いはまれです。

それだけに、警察、検察の執念を感じます。

被害にあわれた家族、目の前で両親を奪われた娘さんの叫びを、若干無理筋な条文の適用にどう反映できるか。

無理筋でも、適用して罰するべきです。

刑法があって事件があるのではありません。

逆です。

事件があって、刑法があるんです。

感情論ですが、たまたま事件に対応できる刑法がないから、無罪ですか。

まともな人間では、到底納得できないです。

罪刑法定主義の本来の趣旨は、これではないでしょう。

 

逆に弁護側はつらいところです。

事実関係を争って、無罪を勝ち取る案件ではないんです。

事実関係に争いはありません。

この卑怯で卑劣、下劣な行為に、正面から対応できる条文がなかった。

ただそれだけです。

さすがの法律も、この蛮行に対応できる条文を準備していなかった。

弁護側が主張できるのは、これだけです。

 

次回この続きと、私の中のホットな話題の①を書いてみたいと思います。